キャバクラが衰退した理由を真剣に考えてみた

キャバクラ流行らなくなった原因

「キャバクラが暇すぎる」
「ネオン街に人がいない」
「高級クラブの数が減った」
そんな声をチラホラ耳にする昨今…。

つい最近まで気のせいだと思っていたのですが、色々調べてみると、水商売全体が下火になっているのは、どうやら間違いなさそうだと確信…。
ここではその理由について、真剣に考えてみたいと思います。

目次

【1】少子高齢化

「警察庁生活安全局保安課」の調査によると「接待飲食等営業」の店舗数は、2012年には68,558店でしたが、2018年には63,756店となっています。
6年間で約5,000店が消えた計算になります。

ちなみに「接待飲食等営業」とは「酒類を提供しつつ異性による接客サービスを提供する店」と定義されていて、キャバクラ・クラブ・ラウンジ・セクキャバ・ホストクラブなどが該当します。
※ガールズバーやスナックは「深夜酒類提供飲食店」なので該当せず。

外で飲む人が減ったのは、単純に少子高齢化の影響が大きいと言われています。
外食産業などもそうですが、人口の影響をモロに食らう業種は、よほど工夫をしないと業界全体の縮小は避けられないかもしれません…。

【2】肉食系男子の減少

ヘブライ大学のハガイ・レビン博士は、1973~2011年までの間に実施された200以上の「男性の精子に関する研究結果」を総合的に判断した結果、
「欧米諸国、アジアの一部、オセアニア地域において、40歳未満の男性の精子が著しく劣化している(精子濃度52.4%減、精子数59.3%減)」
と報告しました。

「この調子で精子が劣化し続ければ、人類は絶滅する可能性がある」
とまで博士は言っています。

精子の質や数は、男性ホルモンのテストステロンと密接な関係にあります。
「何らかの原因でテストステロン分泌量が減り、それに伴い精子が劣化したことによって肉食系男子が減った」というのが多くの有識者の見解です。

男性のテストステロン分泌量が減っている原因については、色々な説(環境問題や食品添加物など)がありますが、未だに本当のところはわかっていません。
おそらく、永久に誰にもわからないでしょう。
ただ昔と比べると「キャバクラどころか、別に彼女もいらないよ」という草食系男子が増えたことだけは、間違いありません。

【3】晩婚化による安定志向

2008年「女子高生のなりたい職業ランキング」で「キャバ嬢」が1位に輝き、世間に衝撃を与えました。
しかしここ数年は、TOP10にすら入っていません。

最近の上位は「公務員」「看護師」「薬剤師」「保育士」「教師」などのいわゆる「お堅い職業」で独占されています。
これは、2010年頃よりニュースになりはじめた「日本人の晩婚化」が大きく影響していると言われています。

「今や、3人に1人は一生独身」
「2050年には2人に1人が独身」
「近未来、結婚する人が少数派になる」
などの研究結果や憶測データが飛び交い、男性も女性も「1人で一生食っていける職業に就こう」と考える人が増えました。

結果、キャバ嬢や芸能人などのギャンブル性の高い職業は敬遠されるようになりました。
これに比例するかのように「キャバ嬢ブランド」の価値も下落したように思います。

【4】ライバルが増えた

「ライバル」というのは、競合店が増えたという意味じゃありません。
キャバクラの代替サービスが増えたという意味です。

やはり一番大きいのはインターネット、そしてスマートフォンの普及でしょう。
飲み屋まで行って女の子を口説いていた人達の一部は、SNS、パパ活サイト、マッチングアプリ、ライブチャット、オンラインサロンなどに流れました。

そっちの方が、効率的に女性を口説けると判断したのでしょう。
スマホの普及は、特に若い世代の「キャバクラ離れ」を加速させた感があります。

キャバクラよりも敷居が低く、コスパ的にも優れているリアル世界の出会いの場が増えたことも見逃せません。
出会い喫茶、相席居酒屋、シングルズバー、お見合いパーティー、街コンなどです。
新しいもの好きな日本人の習性も関係しているのでしょう。

【5】お酒を飲む人が減った

「昔と比べると、お酒を飲む人が減った」
昭和世代の人間であれば誰もが感じることかと思います。

2019年に「株式会社バザール」が成人男女6,553名を対象に行った調査では、20代と60代の飲酒習慣が大きく違うことが浮き彫りになりました。
20代で「毎日飲む」と答えた人は、なんと約1割しかいなかったのです。
確かに「若者のアルコール依存症」って、あまり聞きませんよね。

飲酒の習慣と頻度の推移グラフ
※年代別の飲酒データ(株式会社バザール調べ)

「若者はもっと酒飲め!」なんてジジ臭いことは言いませんが、飲ん兵衛の僕からすると、これはちょっと寂しいデータです。
このような若者のアルコール離れも、要因の1つかと思います。
いくらキャバ好きな上司だって、酒を飲まない部下を捕まえて「キャバクラでも行こう」とはなりませんからね。

【6】タバコを吸わない人が増えた

喫煙者の減少が、水商売全体の客足を大きく減らした事に異論を唱える人はいないでしょう。
最初から吸ってない人よりも、途中から禁煙した人の方が、よりタバコの煙を嫌う傾向があるからです。

日本人の喫煙者の推移グラフ
※JT(日本たばこ産業)調べ

男性の喫煙率のピークは1966年の83.7%です。
たしかに昭和の時代は、ほとんどのオッサンがタバコを吸っていました。

銀行のソファーや病院の待合室、電車内やエレベーターの中にまで灰皿がありました。
小学校の先生が、タバコを吸いながら授業をしていたという話も聞きました。

完全禁煙のキャバクラやガールズバーも、少しずつオープンしていますが、まだまだ認知度が低いです。
国を挙げての禁煙ブームの中、今後キャバクラや高級クラブの経営者は、いかにして愛煙家を食い止めるか、そしてどうやって嫌煙家を呼び戻すか、対策を迫られそうです。

【7】接待で使われなくなった

キャバレンジャー(キャバクラ大好き男性)の2大特徴である「愛酒家」と「愛煙家」が減ったことは、キャバクラが接待の場所として使われる回数も減ったことを意味します。

昔は接待といえば、高級クラブや高級ラウンジが相場でしたが、
「オイ、得意先の部長さん、酒もタバコもやらないらしいぞ」
となれば、
「じゃあ料亭の個室での食事会にしましょう」
となるのが自然です。

女性の社会進出も大きく影響しています。
女性の経営者であれば、得意先をキャバクラで接待しようなどとは思わないでしょう。
お互い女性であれば、尚更です。

また、会社の上層部に女性が増えたことで「キャバクラの領収書は経費として認めない」という社風の会社が増えました。
このような事情から、ネオン街が接待場所として利用される頻度が減りました。

【8】女の子の質の低下

2013年頃からキャバクラや高級クラブに人材を派遣するいわゆる「キャバクラ派遣」の会社があちこちで設立されました。
「ノルマなし・自由出勤・日払いOK」などをウリにし、主に昼間OLなどをしている素人女性の副業として人気を集めました。

しかし、これが悲劇を招きます。
キャストの女の子のレベルが、全体的に下がったのです。

派遣で来ている子達は罰金やペナルティはありませんが、歩合や昇給もありません。
つまり、積極的に場を盛り上げたり、お客さんと連絡先交換したりを一切しないのです。

派遣会社との契約で「派遣キャストである事をお客さんに言うのは禁止」となっているのですが、連絡先を聞くと「ごめん、わたし派遣だから」と、そっけなく断る子が続出…。
連絡先交換すらもできないキャバ嬢やホステスがいる店に行きたいと思う客など、いるハズがありません。

こういった事情から、最近ではキャバ嬢派遣は敬遠される傾向にあるのですが、イベントや誕生祭など、極端に人員不足になる時には、未だに利用されています。

【9】カリスマキャバ嬢の影響

「日本一のキャバ嬢」の呼び声高い「エンリケ」こと「小川えり」さんが、2018年12月9日放送のテレビ番組「給与明細」(abemaTV)に出演。
その驚きの稼ぎっぷりを披露しました。

番組内で「エンリケ」さんは、2018年10月25~27日の3日間にわたって行われた自身の誕生祭の売上が、2億5千万円に達したことを告白。
視聴者の度肝を抜きました。

しかし、この番組に対するネット民の反応は、
「金持ちによる金持ちのための遊びだな」
「住む世界がまったく違う気がする」
「いくら金を使えば相手されるんだろうか」
といった冷ややかなものでした。

番組自体はインパクトのあるものでしたが、結果的にはキャバクラ遊びを別次元のものとして認識する人を増やしてしまったような気がします。
たしかに、このような高嶺の花を口説いてやろうと意気込む若者は、現代にはあまりいない気がします。

【10】情報のグローバル化

キャバクラ・高級クラブに代表されるいわゆる「水商売」は日本独特の文化です。
「高いお金を払って女の子と会話するだけ」というスタイルの店は、海外には存在していません。
そもそも「水」同然のものを高値で売ることが、この言葉の起源なのです。

香港・マカオで言うところの「夜総会」は似ていますが、こちらはいわゆる「連れ出しキャバクラ」となっています。
(飲み代に、アフターでのエッチ代も含まれている)
純粋に会話だけをウリにしているのは、世界広しといえども日本だけです。

近年、日本独特のこの文化が、海外で紹介されるようになりました。
それを見た人達の反応は、だいたい以下のようなものになっています。

「やっぱり日本って変わってるな」
「日本人は疲れてるから仕方がないんだよ」
「なぜ大金を払ってまで若い女と話をしたいんだ?」

これを目にした何割かの「キャバレンジャー」が、キャバクラ通いを辞めたとしても不思議ではありません。
特に白人コンプレックスがある人は、このような意見に影響される傾向があります。

【11】ぼったくり店の存在

ゴジラビル

「ぼったくりキャバクラなんて昔の話」
そんな風に誰もが思っていた2016年初頭、新宿歌舞伎町で相次いでボッタクリ被害が報告されます。

調べてみると、なんと歌舞伎町だけでボッタクリキャバクラが10軒以上もオープンしていたのです。
当時、深夜の時間帯に歌舞伎町交番の前を通ると、必ずといっていいほど被害男性と強面店員、そして警察官の三つ巴の言い争いシーンが見れました。

ボッタクリ店が急増した理由は、地方からの観光客が一気に増えたからです。
その大元の要因となったのは、新宿コマ劇場跡地に建てられた新宿東宝ビル(通称ゴジラビル)です。

テレビ等で紹介されたことにより、地方からの宿泊客が増加。
彼等は夜になれば、当然眼前に広がる歌舞伎町のネオン街に繰り出すワケで、それを狙ったボッタクリ店が急増したというワケです。
(歌舞伎町交番のお巡りさんからの談話)

警視庁や有志の弁護士たちによって、その数は激減しましたが、未だに数店が存在してる模様です。
再び出現した反社会的勢力によるぼったくり店が、水商売業界全体のイメージを下げてしまったことは、言うまでもありません。

【12】マイナンバー制度

最後は、なんといってもコレでしょう。
2016年にはじまった「マイナンバー制度」もキャバクラを衰退させた原因の1つです。
実際に2016年初頭「マイナンバー制度で、キャバクラ勤務が職場にバレる」とネット上で話題になり、多くのキャバ嬢が離職しました。

しかし、実はこれは余計な心配でした。
なぜならキャバ嬢は、お店とは雇用関係にはなく、業務請負契約の外部業者、つまり「個人事業主」だからです。
(風俗嬢も同じ)

個人事業主なので、自分で確定申告をします。
副業でやっている人は、本業との合算の所得を税務署に申告します。

しかし、実際には確定申告などしなくても、昼間の会社にバレることもなければ、税務署に脱税がバレることもありません。
なぜなら、殆どの店はキャストのマイナンバーを管理・申告していないので、税務署としては誰がいくら稼いでいるのか?を知る術がないからです。

マジ?確定申告してる風俗嬢の割合は1%以下?
グッジョブWOMEN編集部の沖田宗久です。 風俗業界にいる方はもちろん、いない方にとっても今回はかなりショッキングな記事かもしれま...

もしあるとすれば、テレビや雑誌に出ているようなカリスマキャバ嬢だけです。
何千万円もするような高級時計や高級外車を見せびらかしたりしていると「じゃあ、その収入はどこから得たの?」となります。
そういう有名人が脱税で告発されているのを、たまにニュースで見るかと思います。

普通の人は、副業だろうと本業だろうと会社にも税務署にもバレないのですが、まだまだ勘違いしている人が多く、これがキャバ嬢の求人に応募する人が激減した理由でもあります。
キャストが少なければ店側は給料を上げたり、前述した派遣キャバ嬢を呼んだりする必要に迫られるのですが、これがさらなる「人件費高騰&接客レベル低下」を招き、負のスパイラルを形成しています。

以上です。
長文にもかかわらず、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!

楽天336-280

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