グッジョブWOMEN編集部の沖田宗久です。
風俗業界にいる方はもちろん、いない方にとっても今回はかなりショッキングな記事かもしれません。
タイトル通りですが、様々な調査の結果、きちんと確定申告をしている風俗嬢の割合は、なんと1%未満である事が明らかになりました(汗)
世間では、やれ増税だ、やれマイナンバーだと騒いでいますが、風俗業界だけは昔から無申告が当たり前になっているのです。
一体なぜこんなことになってるのか?そして今後どうなるのか?じっくりと見ていきたいと思います。
※あくまで現実をお話してるだけであり、脱税を推奨しているわけではありません。
目次
【1】そもそも風俗嬢の確定申告とは?
風俗嬢は基本的には、個人事業主(フリーランス)になります。
「お店に雇用されている」ワケではなく、「お店のスペースを間借りしてそこで商売している人」という立場になります。
お店と女の子の間には雇用関係はないので、お店にマイナンバーを提出する必要もなければ、源泉徴収もされません。
(何も天引きされない)
お店から受け取っているのは「給料」ではなく「報酬=事業の売上金」なのです。
その代わり、自分で税務署に確定申告をする必要があります。
そこらへんの普通の自営業の人と同じですね。
【2】源泉徴収されている場合は?
中には、サラリーマンのように毎日の日払いの給料から「所得税」や「住民税」の名目で10%程度を差し引かれている人もいると思います。
それですっかり税金を払った気になっている人も多いかと思いますが、これは殆どの場合、オーナーの懐に入っています。
その証拠が以下です。
国税庁が発表した平成18~27年度までの「申告漏れが高額な業種ランキング」です。
なんとここ5年間は、キャバレー(水商売)と風俗業がワンツーフィニッシュを決めています(汗)
他の追随を許さない脱税っぷりです(笑)
気になるのは「何割くらいのお店が脱税をしているのか?」ということですよね。
最新の平成26年度分のデータが以下です。
■キャバレー 89.1%
■風俗業 83.2%
■バー 63.3%
■冷暖房設備工事 46.1%
■ダンプ運送 50.7%
殆どのキャバクラ店&風俗店が、きちんと税金を収めていないことが分かります。
正直、笑ってしまうような割合です(笑)
【3】なぜ風俗嬢の元にはマルサが来ないのか?
問題の核心に迫ります。
風俗店や風俗経営者は、ときどきマルサ(国税局)に脱税がバレて追徴課税を払ったりしていますが、風俗嬢がそのような標的にされたというニュースは聞いたことがありません。
これは一体、なぜなのでしょうか?
理由は大きく4つあります。
3-1 お役所が見て見ぬ振りをしているから
たとえば、ソープランドでは本番行為が行われていますが、行政も税務署も見て見ぬフリをしています。
これは、ソープ嬢を脱税で摘発したとなれば、本番行為自体も認めることになり、色々と面倒臭いことになります。
「売春を合法化するのか?」
「フェラだけならいいのか?」
「おっパブはどうするのか?」
みたいな議論に発展しかねません。
税金どころの話ではなくなってしまうのです。
日本政府は長年、この「エッチな問題」をスルーしてきました。
厳密に言うと、問題提起をする人がいなかったんですね。
政治家が国会で「ソープランドで本番行為が行われている件ですが…」などと答弁しようものなら、「なんでお前はそんなこと知ってるんだ?」となりかねません。
選挙の時に、ピンクなテーマを公約に掲げる政治家もいません。
それは、この問題について日本国民の誰もが「現状のままでいい」と思っているからだと思います。
なので行政も税務署も、この「聖域」には触れないようにしているのです。
3-2 風俗嬢の収入を把握できないから
お店の売上というのは、その店に出入りする客数をカウントしていれば、おおよそ把握することができます。
しかし「個々の風俗嬢がどれだけ稼いでいるか?」というのは、いくらマルサでも把握不可能です。
なにせ、風俗嬢本人ですら分かってない事があるのです(笑)
PCなどに記録が残っていればまだしも、殆どの風俗店はそのような記録を意図的に残していません。
日払いの給料明細にしても手書きだったりするので、後から把握しようとしても難しいのです。
しかも、報酬は現金手渡しです。
タイムカードがあるワケでもなく、顧客の個人情報が店に残っているワケでもなく、クレジットカードや電子マネーが頻繁に使われているワケでもないので、「誰が、どの子に、いくら使ったか?」も把握するのは困難です。
金の流れを把握できない以上、税務署も追求のしようがないのです。
3-3 税務署が世間体を気にしているから
荒稼ぎしたホストクラブのオーナーが脱税で告発されたり、いかがわしい健康食品を扱って大儲けした会社が法人税法違反で捕まったりするニュースって、よく見ますよね。
世間の人達が「よくやった税務署!」となるニュースです。
それもそのハズ、これらのニュースは全て「税務署の宣伝」なのです。
批判が怖いので、テレビ局にお願いして定期的にこのようなニュースを流してもらっているのです。
警察の宣伝をしている「警視庁24時」とかと同じですね。
もしもこれが「シングルマザーの風俗嬢を脱税容疑で起訴」みたいなニュースだったら、どうでしょうか?
「税務署は悪魔なのか?」「もっと悪い奴等から取れよ」と世間の大バッシングを食らうハズです。
批判はそのまま管轄である国税庁へ、はたまた税制制度そのものへと発展するかもしれません。
個人的には、税務署ほど世間体を気にする機関はないと思っています。
世論の見方がないと、仕事ができないのです。
税務署へ行ったことがある人は知ってると思いますが、必ずといっていいほど「こんな税金払えるかよ!」などと怒鳴っている人がいます(笑)
世論を敵に回すようなやり方を税務署が堂々としているのを僕は見たことがありません。
3-4 そもそも言いづらいから
一番の理由は、やはりこれでしょう(汗)
風俗で働いている女性が確定申告をするということは、「私は風俗嬢です」と声高らかに宣言するのと同じです。
もちろん中には、この仕事に誇りを持っている人もいるでしょうが、大半の女性は「できれば内緒にしたい」と思っていることでしょう。
風俗嬢として確定申告をすれば、「親バレするかも」「旦那にバレるかも」といった不安がつきまといます。
独身女性であっても、「将来結婚する時にヤバイ事になるかも」という不安は拭いきれないでしょう。
もちろん税務署の職員には守秘義務がありますので、そういった情報が外部に漏れることはないのでしょうが、絶対とは言い切れません。
「天涯孤独で結婚の予定もない」という女性以外は、気軽にできるものではないでしょう。
また、税務署の職員だって人ですから、風俗嬢とわかっていて自宅に税務調査などに行かないでしょう。
ヘタすれば、その家庭を崩壊させてしまうかもしれません。
普通の人であれば、二の足を踏むでしょう。
この業界の色々な人と話をしますが、「風俗店に税務調査が入った」という話は聞いても、「風俗嬢の自宅に税務調査が入った」という話は聞いたことがありません。
ネットでも探しましたが、1件も見当たりませんでした。
【4】脱税がバレるケース
最後に、脱税がバレるケースを書いておきます。
実は、脱税がバレる人の多くは、自分で税務署員を呼び寄せてしまっているのです。
4-1 密告される
脱税がバレる原因の第一位が、密告(タレコミ)なんだそうです。
みんなの前で「自分は沢山稼いでる」などと自慢気に話していると、中には不快に思う人もいるということでしょう。
別れた恋人、仕事のライバル、近所の人などがチクる事もあるそうです。
なんと国税庁は密告用のページまで作っています。
自慢はほどほどに、ですね。
課税・徴収漏れに関する情報の提供|国税庁
https://www.nta.go.jp/suggestion/johoteikyo/input_form.html
4-2 有名人になる
カリスマホストにしろ、カリスマ美容師にしろ、脱税を指摘されるのは決まってテレビに出てるような有名人です。
きちんと税金を収めた上でメディアに出るのなら問題ないですが、収めていないのであれば、「僕を脱税で捕まえてください」と言っているようなものです。
税務署からすれば、カモネギもいいところです。
目立ちすぎは禁物です。
4-3 高額商品の購入
高額な商品を一括購入した人は、高い確率で税務署に目を付けられます。
たとえば、マイホームや高級外車などを一括購入すれば、確実に目を付けられます。
銀行口座をガン見されることでしょう。
高級腕時計やブランド物などもそうです。
個人情報を言わずに現金で買ったとしても、そういうもので身を固めていれば、自然と噂になるものです。
注意したいですね。
4-4 SNSで自ら暴露
国税局には、インターネット上を監視する専門の調査官がいるそうです。
彼等が特に注視しているのは、フェイスブック、インスタグラム、ツイッターといったSNSです。
たとえば高級外車や高級時計の名前を入れてSNSを検索すると沢山HITしますが、おそらくはそういう所からアタリを付けていくのだと思います。
「コミックマーケットで販売した2000円のイラスト集、見事1000冊完売しました!」
などとSNSにアップして、脱税がバレた人もいるそうです。
SNSもほどほどに、ですね。
4-5 銀行口座の残高
これは税理士さんから聞いた話ですが、全ての銀行口座はAIで監視されているのだそうです。
それで、残高が急激に増えたり、不明な入出金が繰り返されたりすると、人の目が入るのだそうです。
たとえば普通の人であれば、1年間で貯金が1千万円も増えるような事はないですよね。
そういうありえない動きをする口座の持ち主は脱税している可能性が高いので、税務署も動かざるを得ないワケです。
FX、株式、仮想通貨なども同様です。
こういった業者は、国税局からの開示請求を断ることができないのです。
気をつけたいですね。
【5】まとめ
今回は、風俗の女の子の税金の申告状況について解説しました。
どのサイトを見ても「風俗嬢でもしっかりと確定申告しましょう。オススメの税理士はコチラ」みたいな事を書いてますが、いやいや、ただ誘導したいだけだろって思います。
そして、そういう所で紹介されている税理士は、あまり優秀ではない人が多い気がします。
納税は国民の義務であり、脱税はしてはいけない事です。
そんな事は分かっています。
しかし、風俗を始めたばかりの女性というのは、そんな事すらも考えられないほど切羽詰まった状態であることが殆どです。
昔のように、ただ遊び代が欲しいみたいな子は少なく、学費を稼ぐため、家族を養うため、シングルマザーだから、という理由で始める子が殆どです。
勤務初日は、声が震えている子や、中には途中で泣き出してしまう子もいます。
そのような状態で、税金面の心配までしろという方が無理です。
人生、帳尻合わせが大事です。
若い頃にヤンチャンしてた人は、大人になってボランティアをしたりします。
同じように、無申告期間が長かった人は後から少し多めに払うとか、人生の後半でその帳尻合わせを合わせるようにしたらいいのではないでしょうか?
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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